
「ターゲットを絞ると、仕事が減るんじゃないか」
これは、ほぼすべての工務店さんが一度は感じる不安です。
だから、
- できるだけ間口を広く
- 誰にでも当てはまる言葉で
- 否定もしないし、断りもしない
そんな“優しい集客”になっていく。
でも現実はどうでしょう。
問い合わせは来る。
でも決まらない。
話は長い。
値引きの話ばかり。
実はこれ、心理学的に見るとごく自然な結果なんです。
そして逆に言えば、
ターゲットを絞った瞬間に受注が増えるのも、ちゃんと理由があります。
1. 「私のための工務店かも」と思われた瞬間、人は動く
人は家を選ぶとき、
すべてを比較検討して合理的に決めている…
と思いがちですが、実際は違います。
最初に起きているのは、
「これ、自分向けかな?」という直感的判断です。
このとき脳は、
「自分と関係あるか/ないか」
を一瞬で振り分けています。
ここで重要なのが、メッセージの尖りです。
- 誰にでも当てはまる言葉
→ 誰のことでもない - 特定の人に向けた言葉
→ 「あ、私のことだ」
ターゲットを絞るとは、排除ではありません。
「これはあなたのための工務店ですよ」と分かるようにすること。
尖らせたメッセージほど、
刺さる人の心には深く、強く残ります。
2. 過去のお客様を1人、思い出してみてください
ターゲット設定が苦手な工務店ほど、
未来の理想像を考えようとします。
でも、いちばん簡単で正確な方法は、
過去を見ることです。
- 一番スムーズに進んだお客さん
- 価値観が合ったお客さん
- 完成後、すごく喜んでくれたお客さん
その人を、1人でいいので思い出してください。
そして、
- どんなことで困っていたか
- 何に不安を感じていたか
- どんな提案をして
- どこで「え、そこまでやってくれるんですか?」と驚いたか
このリアルな記憶こそが、最強の材料です。
人は、自分と似た状況のストーリーに強く引き寄せられます。
「それ、まさに今の私です」
この感情が生まれた時点で、勝負はほぼ決まっています。
3. 人は「説明」ではなく「ストーリー」に共感する
性能、仕様、数字。
どれも大切ですが、人を動かすのは最後は感情です。
心理学的に見ると、
人の意思決定は
- 感情で動き
- 理屈で正当化する
この順番です。
だから、
- 説明が多い
- 事例が多すぎる
- 誰の話か分からない
こうなるほど、逆に伝わらなくなります。
1人に絞ったストーリーは、
- 情景が浮かぶ
- 感情が動く
- 「自分だったら」と置き換えやすい
結果として、
説明しなくても納得される状態が生まれます。
4. ターゲットを絞ると受注が増える心理学的理由
では、なぜターゲットを絞ると受注が増えるのか。
理由は大きく3つあります。
①選択肢が減ると、人は決断しやすい
情報が多いほど、人は迷います。
迷うほど、決断は先延ばしになります。
「この工務店は、自分向け」
そう思えた瞬間、比較検討は一気に減ります。
②専門家に見える
「誰でも対応できます」より、
「こういう人のための工務店です」の方が、
圧倒的に専門家に見えます。
人は、専門家に任せたい生き物です。
③温度の高いお客さんしか来なくなる
ターゲットを絞ると、
そもそも合わない人は来ません。
結果、
- 話が早い
- 価値観が合う
- 価格以外を見てくれる
そんなお客さんだけが残ります。
受注が増えるのは、偶然ではありません。
まとめ
ターゲットを絞るとは、
仕事を減らすことではありません。
ムダな仕事を減らし、決まる仕事を増やすことです。
今日、ぜひやってみてください。
- 過去の「一番良かったお客様」を1人思い出す
- その人のストーリーを、できるだけ具体的に書き出す
- 「この人に向けて」言葉を組み立てる
1人のために書いた言葉は、
不思議と、同じ価値観の人を連れてきます。
広く浅くより、狭く深く。
それが、小さな工務店が心理学的に勝つための、いちばん現実的な戦略です。
