
「地域密着でやってます」
…この言葉、正直もう聞き飽きてませんか?
チラシにも、ホームページにも、会社案内にも書いてある。
でも不思議なことに、“地域密着”を掲げている工務店ほど、価格競争や相見積もりに巻き込まれています。
「いい家を建てているはずなのに、なぜ選ばれないのか」
「真面目にやってるのに、大手や派手な会社に負けている気がする」
もし少しでも心当たりがあれば、この記事はあなたのためのものです。
結論から言うと、問題は努力不足ではありません。
ポジション設計をしていないこと、これに尽きます。
地域密着で選ばれる工務店は、戦っていません。
“戦わない場所”を先に決めているだけなのです。
1. なぜ「地域密着」だけでは選ばれなくなったのか
多くの工務店がやってしまっているのが、競合と真っ向から戦う地域密着です。
- 地元です
- 安心です
- 親身です
- 高性能です
…これ、どこも同じですよね。
言ってしまえば「全員が同じユニフォームを着て、同じルールで殴り合っている」状態です。
しかも相手は、
- 広告費が潤沢
- スタッフも多い
- 知名度もある
こんな大手や中堅。
これで勝とうとするのは、軽トラでF1に出場するようなものです。
気合いは立派ですが、車が違います。
地域密着=努力や露出の量ではありません。
どの立ち位置を取るか、これを決めない限り、永遠に消耗戦です。
2. 地域の中で「〇〇と言えばここ」を設計する
ここで大事になるのがポジションという考え方です。
ポジションとは、
「競合と比べてどっちがいいか」ではなく、
「その地域で思い出される席を一つ取ること」。
たとえば人間関係でも、
- 面白い人
- 相談しやすい人
- 頼れる兄貴分
全員を目指さなくていいですよね。
一つで十分、むしろ一つじゃないと覚えられません。
工務店も同じです。
「〇〇の家なら、あそこ」
「△△を大事にする人は、まずあそこを思い出す」
この“〇〇”を設計することが、地域密着の正体です。
ポイントは、少しずらすこと。
派手に変える必要はありません。
半歩、いや10センチずらすだけでいい。
みんなが「性能」を語っているなら、
「暮らしの不安」を語る。
みんなが「実績」を語っているなら、
「失敗談」を語る。
この“ずらし”が、記憶に残る理由になります。
3. 選ばれる理由は「お客さんの言葉」でつくる
ここで多くの工務店がつまずきます。
なぜなら、社長の言葉で語ってしまうからです。
- 高断熱高気密
- 耐震等級3
- 高性能住宅
もちろん大事です。
でもお客さんは、そんな言葉で家を選んでいません。
お客さんが使っているのは、もっと生活の言葉です。
- 冬、朝起きるのがつらくない
- 子どもが走り回ってもヒヤヒヤしない
- 営業されないのが楽だった
この「お客さんの頭の中にある言葉」を、
代わりに整理して、言語化してあげること。
これが“選ばれる理由”になります。
自分で言うと弱い。
でも「それ、まさに私が欲しかった言葉です」と言われた瞬間、信頼が生まれます。
専門家の役割は、難しいことを語ることではありません。
お客さんのモヤっとした感情に、名前をつけてあげることです。
4. 大手が決してやらないことを、あえてやる
最後に大事な視点です。
それは、大手がやらないことをやるということ。
大手は、
- 万人向けでなければいけない
- 否定的なことは言えない
- 尖った表現ができない
だからこそ、小さな工務店には自由があります。
- 合わない人は断る
- 向いていない家族像を明言する
- 地域のリアルな話を出す
これ、大手は絶対にやりません。
でも小さな工務店だからこそ、信頼に変わります。
「この会社、ちゃんと線引きしてるな」
そう感じた瞬間、人は安心します。
全部の人に好かれようとするほど、
誰の記憶にも残らなくなります。
少しずらして、少し尖る。
これが地域密着で生き残るための現実的な戦略です。
まとめ
地域密着で選ばれる工務店になるために、
今日から考えてほしい問いは3つだけです。
- この地域で「〇〇と言えば」と言われたら、何を取りに行くのか
- その理由は、社長の言葉ではなく、お客さんの言葉になっているか
- 大手が絶対にやらないことを、あえてやれているか
地域密着とは、範囲の話ではありません。
ポジションの話です。
戦わない場所を決めた工務店から、
集客は驚くほど楽になります。
そして営業も、無理をしなくて済むようになります。
「選ばれる理由は、設計できる」
これはセンスの問題ではありません。
考え方と順番の問題です。
もし今、集客や営業がしんどいなら、
頑張る方向を少しだけずらしてみてください。
その10センチの差が、1年後に大きな差になります。
