
「どこに広告を出せば反応がいいですか?」という質問の違和感
工務店さんから、昔も今も変わらずよく聞かれる質問があります。
それが――
「どこに広告を出せば、一番反応がいいですか?」
気持ちはよく分かります。
できれば、
- 少ない予算で
- すぐに反応があって
- 見込み客がポンポン来る
そんな“当たり媒体”が知りたい。
実際、数年前までは
「インスタ広告で一本釣り」
みたいな時代も、確かにありました。
でも、はっきり言います。
今は、そんな時代ではありません。
「この媒体が強い」
「ここに出せば集まる」
そういう“正解探し”をしている時点で、
集客の考え方がズレています。
なぜ
『集客=広告』という発想そのものが間違いなのか。
今日はその話をします。
1. 「集客=広告」と考えた瞬間、勝負はきつくなる
まず、大前提として押さえておきたいことがあります。
今の時代、「最強の媒体」は存在しません。
あるのは、
- インスタはインスタの特性
- YouTubeはYouTubeの特性
- チラシはチラシの特性
それだけです。
にもかかわらず、
「どこが一番反応いいですか?」
と聞いてしまうのは、
広告に“集客の責任を丸投げ”しようとしている状態です。
これはかなり危険です。
なぜなら、広告は
- 見せる力
- 届かせる力
はあっても、
選ばれる理由を作る力はないからです。
広告に期待しすぎると、こうなります。
- 広告を出す
- 反応が弱い
- 「この媒体はダメだ」と判断
- 次の媒体へ
でも、どれをやっても同じ結果になる。
なぜなら、問題は媒体ではなく
中身と全体設計だからです。
広告は魔法ではありません。
ただの「増幅装置」です。
ズレたメッセージを、
大きな音量で流しているだけのケースも少なくありません。
2. 広告が効かない本当の原因は「前後がない」こと
広告がうまくいかない工務店さんを見ていると、
共通点があります。
それは、
広告が“点”になっていること。
広告だけがポンと存在していて、
- 誰に
- 何を
- どう伝えて
- どこへ連れていくか
が、つながっていない。
ここで重要になるのが、
3M(Market / Message / Media)の考え方です。
- Market:誰に売るのか
- Message:何をどう伝えるのか
- Media:どこで届けるのか
多くの場合、
Media(広告・媒体)から考え始めてしまいます。
でも、本来の順番は逆です。
まず
「どんな人に選ばれたいのか」が決まり、
次に
「その人に刺さる言葉」があり、
最後に
「それを届ける手段」として広告がある。
広告は主役ではありません。
あくまで部品です。
もちろん、
「得意な媒体」は必要です。
インスタが得意、ブログが得意、動画が得意。
それ自体は良いこと。
でも、
1つの媒体で完結させようとした瞬間に無理が出る。
広告は入口。
その前後に、
理解・共感・納得のプロセスがなければ、
どれだけお金をかけても成果は安定しません。
3. 広告中心になると「お知らせ発信」しかできなくなる
「広告=集客」と考えると、
発信内容も、自然と偏ります。
何を発信するかというと――
「見学会に来てください」
こればかり。
- ○月○日 見学会開催
- 完全予約制
- ぜひお越しください
いわゆる“お知らせ発信”です。
でも、冷静に考えてみてください。
これって、
まだ何も知らない人に、いきなり来場を求めている状態です。
その結果、どうなるか。
- 比較される
- 値段を見られる
- 他社と横並びにされる
つまり、
大手と真っ向勝負になります。
広告で戦う、というのは
資金力・知名度・物量で勝る相手と
正面衝突するということ。
小さな工務店がやりたいのは、そこではありません。
本来作りたいのは、
- 考え方に共感している
- 価値観が合っている
- 他社と違う理由を理解している
この状態で来てもらえれば、
見学会は“説得の場”ではなく
確認の場になります。
それを作るのは、
広告ではなく
日常の発信と導線設計です。
まとめ|広告は「武器」ではなく「部品」
ここまでの話を、シンプルにまとめます。
集客=広告、ではありません。
集客とは、
- 誰に
- 何を
- どんな順番で
- どう伝え
- どう選ばれるか
この全体設計のことです。
広告は、その中の一部。
最後に効かせる“加速装置”です。
広告から入ると、
どうしても
「どこが強いか」
「何が当たるか」
という発想になります。
でも、
小さな工務店が勝つ道はそこではありません。
正面からぶつからず、
ポジションを取り、
理解された状態で選ばれる。
広告に頼る前に、
広告がなくても伝わる土台を作る。
それができたとき、
広告は初めて“味方”になります。
集客を広告任せにしない。
これだけで、
無駄な出費も、消耗戦も、かなり減ります。
