
「紹介だけでやってきた」は、実は一番怖い状態
「うちは広告も営業もやってないけど、紹介で十分回ってますよ」
工務店さんと話していると、本当によく聞く言葉です。
実際、ここ10年くらいはそれで成り立ってきた会社も多いでしょう。
でも正直に言うと、**今いちばん危ないのが“紹介だけで回っている状態”**です。
なぜなら、それは「うまくいっている」のではなく、
たまたま運が良かった状態が続いているだけだからです。
しかもやっかいなのは、紹介は静かに減ります。
広告みたいに「反応が落ちた!」とアラートが鳴るわけでもなく、
SNSのように数字で見えるわけでもない。
気づいたときには「今月も来月も予定が空いている…」となる。
この記事では、
- なぜ紹介依存がこれから致命的なリスクになるのか
- なぜ「いい仕事をしていれば増える時代」が終わったのか
- そして、なぜ今すぐ動かないと間に合わないのか
このあたりを、少し耳の痛い話も含めて整理します。
1. 紹介依存が“静かに詰む”3つの理由
① 2030年までに受注棟数は確実に減り、紹介は奪い合いになる
まず大前提として、これから住宅の受注棟数は確実に減ります。
しかも、ゆっくりではなく「途中から一気に加速」します。
つまり何が起きるかというと、
紹介の総量そのものが減るということです。
今までは
「Aさんが建てた → その友人Bさん → さらにCさん」
という流れが自然に回っていました。
でも母数が減れば、この流れ自体が細くなる。
そうなると何が起きるか。
紹介は“奪い合い”になります。
今までは「紹介が来るかどうか」だったものが、
これからは「誰に紹介が行くか」の戦いになる。
価格、立地、デザイン、営業力…
あらゆる条件で比較される世界です。
紹介=安定、ではありません。
紹介=不確実な希少資源に変わっていきます。
②紹介はとにかく「運任せ」。自分でコントロールできない
紹介の最大の問題は、
自分でコントロールできないことです。
- 今月は紹介が3件来た
- 来月はゼロ
- 理由は分からない
これ、経営としてはかなり怖い状態です。
よく考えてみてください。
売上も、受注も、集客も、
すべて「誰かの気分とタイミング」に委ねている。
しかも、紹介が来ない理由は誰にも分かりません。
- 紹介者が忙しかっただけ
- たまたま話題に出なかった
- 友人が別の会社を先に見た
こちらの努力とは無関係なところで決まる。
これを“仕組み”と呼ぶのは、さすがに無理があります。
③「いい仕事をしていれば増える時代」は、もう来ない
これは一番認めたくない事実かもしれません。
いい仕事をしている工務店ほど、紹介が増える。
昔は、確かにそういう側面がありました。
でも今は違います。
なぜなら、
「いい仕事をしている会社」が多すぎるからです。
- 性能も高い
- デザインも良い
- 人柄も悪くない
正直、この条件はもう“当たり前”。
その中で選ばれるかどうかは、
知ってもらえているかどうかで決まります。
つまり、
いい仕事 × 発信ゼロ = 知られない
という、残酷な構図です。
2. 紹介が止まった瞬間に起きる、現場のリアル
紹介依存の怖さは、
「止まったときに一気に表面化する」点にあります。
例えばこんな状態です。
- 今月:紹介ゼロ
- 来月:問い合わせゼロ
- 再来月:急に不安になってSNSを触り始める
でも当然、すぐに受注は増えません。
SNSもブログも、始めて3ヶ月で結果が出るものではないからです。
するとどうなるか。
- 「やっぱりSNSは意味がない」
- 「忙しいし、やめよう」
こうして、また紹介待ちに戻る。
このループに入ると、かなり危険です。
さらに問題なのは、
紹介依存だと“動けない体質”になること。
- 集客を学んだことがない
- 数字を見たことがない
- 何が効いているか分からない
だから、いざ何かやろうとしても
「何から手を付けていいか分からない」。
これは能力の問題ではなく、
今まで必要なかっただけです。
でも、これからは必要になります。
3. それでも今すぐ発信を始めるべき理由
ここでよく出る反論があります。
「今からSNSを頑張っても、すぐ受注は増えないですよね?」
その通りです。
すぐには増えません。
でも、だからこそ今やる必要があります。
なぜなら、
今が一番“集客しやすい時期”だからです。
これから先、
- 情報はさらに溢れる
- 発信する工務店も増える
- お客さんの判断基準は厳しくなる
つまり、
集客の難易度は、これから加速度的に上がります。
今始める人は、
- 競合がまだ少ない
- 試行錯誤する余地がある
- 小さく失敗できる
3年後に始める人は、
- すでにポジションが埋まっている
- 後発で比較される
- 時間もお金も余裕がない
同じことをやっても、条件がまったく違います。
SNSやブログは、
「今困っている人のため」ではなく、
3年後の自分を助ける保険です。
まとめ|紹介を否定せず「設計された集客」を持とう
誤解してほしくないのは、
紹介が悪いわけではないということです。
紹介は
- 信頼度が高い
- 成約率も高い
- ありがたい存在
これは間違いありません。
問題は、
紹介“だけ”に依存していることです。
運任せの集客から、
「意図して集める集客」へ。
全部を一気に変える必要はありません。
- 月1本でも発信を始める
- 自分たちの考えを言葉にする
- 理想のお客さんを明確にする
この小さな積み重ねが、
数年後に「余裕」になるか、「焦り」になるかを分けます。
紹介がまだ回っている今こそ、
一番動きやすいタイミングです。
止まってからでは、遅い。
これは脅しではなく、現実の話です。
